Director's Diary 名大高等研究院の日々

名古屋大学高等研究院の活動の一端をご紹介します。

ノーベル賞についての講演会(1月29日)

 1月26日の朝日新聞 be on Saturday に、おもしろい記事が掲載されていました。「自由に職業を選ぶことができ、回答者にはその能力が備わっている」という条件で、もし生まれ変わったら就きたい職業は何ですか?というアンケートを行ったところ、1位が「大学教授・研究者」(それも、2位の「医師」や3位の「小説家」をかなりの票差で引き離して)だったというのです。もちろん、これは朝日新聞デジタルの会員登録者を対象にしたアンケートだったから結果がこうなったのであって、たとえば ××新聞の読者に尋ねたら違った結果になるのでは、などと野暮なことを言わずに、研究職が夢の職業とみなされていることを率直に喜びたいと思います。私自身はといえば、この条件で自由回答を求められたら、「オーケストラのフルート奏者」と即答するかもしれませんが・・・。

 

 さて、「大学教授・研究者」を選ばれた方の声として、「目標はノーベル賞受賞!」という力強い宣言も紹介されていましたが、高等研究院では、下記の要領で、ノーベル生理学・医学賞の選考を行っているカロリンスカ研究所の Carlos Ibanez 先生による講演会を共催することになりました。どのようなお話が伺えるのか、楽しみにしています。

 

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エジプト学セミナーを開催

 高等研究院では、学内の様々な部局や研究グループと連携して学術的なイベントを開催していますが、1月18日には、人文学研究科の人類文化遺産テクスト学研究センターとの共催により、ベルリン自由大学からDora Goldsmithさんをお迎えして、「古代エジプトにおける匂いの風景」というちょっと変わったテーマのセミナーを開催しました。私自身は、折悪しくエジプトで(!)調査中だったので参加できませんでしたが、このような若手研究者レヴェルの交流も、今後は積極的に進めていきたいと考えています。

 

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YLCの堀江さんが「国際開発研究 大来賞」を受賞

 高等研究院YLC特任助教(人文学研究科)の堀江未央さんが、京都大学学術出版会から刊行されたご著書『娘たちのいない村 ヨメ不足の連鎖をめぐる雲南ラフの民族誌』(2018)により、第22回「国際開発研究 大来賞」を受賞されました。本書は、中国雲南省のラフ村落におけるフィールド調査を踏まえて、地域間の経済格差を背景とする女性の婚出という社会現象を様々な視点から丹念に描き出した労作です。ご出産などのライフ・イベントと調査・研究とを両立させ、このように優れた成果をあげられたことに、心から敬意を表したいと思います。

 

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クリスマスのYLCセミナー

 12月25日の午後には、高等研究院の年内最後のイベントである、YLCセミナーが開催されました。これは、YLC特任助教の皆さんに、それぞれの研究について他分野の人にも分かるように報告してもらい、皆で専門を越えた自由な意見交換を行おうというもの。この日は、数学のヘンリックさんと、素粒子物理の阿部さんが、ともに英語で発表を行いました。特にヘンリックさんには、事前に「日本語で聞いたって(!)数学のことなんかさっぱり分からないんだから、何とか工夫してね」とお願いしておいたところ、数をラーメンに喩えた基本的な説明から始めて、実に見事なプレゼンで、数学の不思議かつ魅力的な世界を(分からないなりに)楽しませてくれました。

 

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 この日はクリスマスだったので、セミナーの終了後に高等研究院の忘年会を行いました。こちらは、乾杯のご挨拶をされる松尾総長です(左端)。

 

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 来年も、楽しくそれぞれの研究に励みましょう! 

それでは、よいお年を。

 

第11回高等研究院レクチャーを開催

 12月23日の日曜日には、第11回高等研究院レクチャーとして、バーミヤーンに代表されるアフガニスタンの仏教遺産についてのシンポジウムを開催しました。

 

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 名古屋大学が初めてバーミヤーンの調査を行ったのは、今から半世紀以上も遡る1964年のこと。このときに調査に参加された前田耕作先生、さらに1969年に行われた調査に大学院生として参加された宮治昭先生の貴重なお話を伺うことができて、本当に感激でした。このレクチャーについては、ウェブ上での公開を予定していますので、楽しみにお待ちください。

 

UBIASワークショップ2018

 12月20日と21日には、南京大学と早稲田大学からゲストの先生方をお迎えして、UBIASの年次トピックであるAgingについてのワークショップを開催しました。

 

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 こちらは、会場の様子です。

 

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 初日の夜の懇親会でご挨拶される、南京大学高等研究院のCon先生。

 

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 ご参加いただいた3大学の皆様、ありがとうございました。東アジアを代表するメンバー校として、これからもUBIASを通じた研究国際交流を活性化させていきましょう。

 

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教育発達科学研究科でプレゼン

 12月12日の午後には、教育発達科学研究科で、高等研究院の活動についてのプレゼンをさせていただきました。教授会の貴重なお時間を頂戴し、感謝申し上げます。人文・社会系の研究者の方にも、ぜひ高等研究院の様々なプロジェクトについてご理解いただき、名古屋大学の貴重な研究資源を有効利用していただきたいと考えています。ご要望があれば、どこにでも説明に伺いますので、ご関心をお持ちの部局執行部の方は、高等研究院の事務までご連絡ください。

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